読了

西尾維新「ニンギョウがニンギョウ」

大正モダンな雰囲気を出している文章と、全く現実感の無い表現。 さらに、「不思議の国のアリス」のように脈絡なく続く展開…。 登場する人物たちには、固有名詞が一つとして無く、顔の無いマーク・コスタビのポップアートのような世界を想像させる物語だった…

乙一「GOTH−僕の章」

いやぁ、サイコミステリはオモロイやねぇ。 言葉の端々から滲むダークサイドな雰囲気は、読んでると徐々に自分の周りを見えなくさせる。 あまりにも現実からかけ離れると、客観視して読んでしまうのでそういう現象に襲われることはないのだが、この「GOT…

乙一「GOTH−夜の章」

なんとなくブックカバーが欲しくて買った角川の文庫版を読書。 乙一の作品は、これで2作品目かな? 元々ハードカバーの短編集を2分冊して文庫にした1冊目。 一応、漫画版は読んだことがあったのだが、面白いことにビジュアルで表現すると分かりにくいとい…

日日日「うそつき−嘘をつくたびに眺めたくなる月」

うそつき―嘘をつくたびに眺めたくなる月日日日 新風舎 2005-08売り上げランキング : 7,817Amazonで詳しく見る by G-Tools やっとこさ読了。ちょっと中途半端な恋愛小説だったなぁ。 主人公竹宮輝夜の恋愛物語なんだろうけれど、恋愛というにはちょっとグロい…

日日日「蟲と眼球とテディベア」

前半と後半の物語の主点がいつのまにかすり替わっていたような気がする。ホラーと書いたけれど、裏の簡単な解説ではファンタジーになるらしい。 確かに、ホラーではないよなぁ…。どこで聞き間違ったんだろ?(笑) モチーフになっているのは、アダムとイヴの楽…

日日日「狂乱家族日記−弐さつめ」

このシリーズを読んでいると、何気にウルウルときてしまったりする。 萌えすぎてとかじゃなくて(笑)、ヒューマンドラマとして、ちょっとぐっとくる箇所が要所に散りばめられていたりする。 「狂乱」というキーワードを隠れ蓑に使って、描かれる家族モノの…

阿部和重「インディビジュアル・プロジェクション」

阿部和重、「グランド・フィナーレ」で芥川賞受賞した作家である。 この作品で2冊目の読書だが、特に隙というわけでもないのに買って読んでしまう吸引力みたいなものがある。でもまあ、文庫でしか買わないけど。 なので、感想もはっきりとしたことが中々い…

森博嗣「朽ちる散る落ちる」

この話は、前作や短編とのリンク、2つの密室、裏で関わる巨大な組織とオイシイ要素盛り沢山で、結構好きな作品。 基本となる密室も森博嗣ならではといった規模の大きなトリック?が使われていて、森ミステリィの集大成な感じがする。 でもこの人の作品って…

化野燐「混沌王−人工憑霊蠱猫03」

読了…。う〜ん…。これ、続編出るのかな?(笑) 一応、これで今回の話は完結したらしい。色々と伏線は張ってあるが、果たして続編って出るのかな?まあ、よく分からんけど。 終盤のトリックのようなものは、ただウザいだけだったよな感がある。まあ、良くある…

森博嗣「6人の超音波科学者」

この作品も四季シリーズを読み始めてから、マズイ!と思って読みすすめたもので、1年前に読んでいるはずなのに、トリックなど殆どの内容を忘れていた…(笑)感想は、もうすでに記載しているので、装丁をまじまじと見てのお話。森作品で、このVシリーズと「ス…

森博嗣「恋恋連歩の演習」

この作品、イマイチタイトルの意味が分からない…。洋上で起こった殺人事件をいつもの4人が解決するのだが。そのうちの2人が無銭乗船ってのはどうなんだろうねぇ(笑)まあ、約1年ぶりに読んだのだけれど、この作品については殆ど覚えていたので、良い作品な…

森博嗣「魔剣天翔」

Vシリーズの主要登場人物では、微妙に悪党が存在する。悪党ってほど悪くはないんだけど、法律には抵触する行動を起こしているからなぁ…。ま、保呂草くんのことだけど。ちょうどVシリーズ5冊目ということなのか、その保呂草のライフワークだと思われる絵画…

森博嗣「夢・出逢い・魔性」

少しずつ読み進め、漸く読了。この話で重要なのは性別トリックかな?(笑)ミステリな部分ってモノは実はほとんど無いといってよい内容なんだけれど、ミステリと感じる作品。ってのは、幻想的な文章と詩的表現が散りばめられていることが要因かな。今回は舞…

上遠野浩平「冥王と獣のダンス」

ラスボス倒してエピローグ無しという、ちょっと中途半端な終わり方が気になるけど、1冊の大して厚くもない本としては、中身が濃いのにそんな感じをさせない巧い文章だったね。キャラも良い感じだったし…。最後のSF系でありがちなオチも愛嬌かなと。この話に…

森博嗣「ダウン・ツ・ヘヴン」

サクサクと読み終わり。率直に今回のは終わり方がイマイチひねりが無かったのが、ちょっと残念。もうちょっと楽しむには「ナ・バ・テア」を再読する必要があるかな…。前にも書いたとおりこの作品は「ナ・バ・テア」と「スカイ・クロラ」の中間にある作品なの…

西尾維新「ネコソギラジカル−赤き制裁VS橙なる種」

前言撤回!!やっぱり面白いワ、この戯言シリーズは。しっかし、サブタイトルの意味は殆どなかったような気がするのだがね…。いつもながら、アッサリとイタイ文章が散りばめられている。弱いものから死んでいくのは確かに自然の摂理ではあるけれど、ホントに…

日日日「アンダカの怪造学−ネームレス・フェニックス」

読み終わり。正統学園モノを目指したとあって、ラストのほうはちょっと涙を誘われたりした。1巻目ということもあって、前半は説明的な日常描写が多いが、後半の怒涛のような展開は、読んでいて楽しかったやね。モンスターのネーミングセンスは、ほぼダジャ…

日日日「狂乱家族日記 壱さつめ」

サクッと読み終わった。いや、楽しくて切なくて痛くて痒い本だね。(褒めてんのか?)文章はライトノベル独特の壊れ方をした感じで設定やら登場人物なども、世界系キャラ小説の枠内なんだが、個性が出ているのはやはり言葉の選び方だろうなぁ。物語としては…

上遠野浩平「ブギーポップ・バウンティング ロスト・メビウス」

う〜ん…。何か中途半端な作品だった。シリーズとして読めば、非常に意味のある話だったんだけれど、単体としての物語の出来はイマイチな感じがする。ブギーポップで僕が求めていたモノが殆ど描かれなかったところが、そういう評価の原因かな?一つひとつの話…

上遠野浩平「ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト」

のっけから映画ネタだったことからも予想できた。元ネタとしてあるだろう作品は「俺たちに明日はない」だね。ボニー&クライドですよ。そんな凄惨なラストにはなっていないので、どちらかというとアンチな匂いがする内容。珍しくメインの登場人物が普通の人…

上遠野浩平「ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド」

記念すべきブギーポップシリーズの10作品目。上遠野浩平の著作としては…、何冊目になっているだろうかは不明。霧間凪が中学生の頃のお話って事で、1冊目を現在と仮定すると、大体2年くらい前の話になるのかな?まだ、ブギーポップ自体も生まれたばかりっ…

上遠野浩平「ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎上」

ここまでは、読んだ記憶があるけれど、内容はすっかり忘れているやね…。毎回の事ながら、ちょっとした本編へと続くエピソードの中に、過去の作品がサブストーリーとして横たわっているという「地続き」感は、凄いのだけれど、何故かこちらのほうは森博嗣の作…

今日までのまとめ(というか上遠野浩平祭)

「ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王」 「夜明けのブギーポップ」 「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」 「ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵食」 とりあえず、こんな感じで「上遠野浩平」祭を実施中。まあ、ブギーポップシリー…

上遠野浩平「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー:パンドラ」

さくっと読み終わり。かなりの友情モノなストーリーではあるけれど、グッドエンドではないところが素敵(笑)この話自体の完結は、曖昧な終わり方だけど、ハッキリしなさが良いんだよね。それに、シリーズを考えるとまたいつ、誰が出てきても良いような上手い…

上遠野浩平「ブギーポップ・リターンズ・VSイマジネーターPart2」

登場人物の視点で描かれた僕小説ではあるけれど、その視点の主たる人物がクルクルと変わっていく。貫かれている事件は、上下巻に分けるほどの内容では無いのだが、それに関わる人物達の心理描写を多く書いている点が読んでいて面白いところ。これに良く似た…

上遠野浩平「ブギーポップ・リターンズ・VSイマジネーターPart1」

読みかけをサクっと読了。うむ、やはり面白い。何気にそこはかとなくエロいんだよね、この小説(笑)電撃文庫ということもあって、それほど過激な描写とかは無いんだけど、まあ、確かにそれくらいのお年頃には考えている事は「ソレ」ばっかりだったしね(笑)ブ…

上遠野浩平「ブギーポップは笑わない」

再読終了。やはり、集中するとあっという間に読み終わるやね。しかし、内容は濃いところが上遠野浩平の凄いところかな?一応学園モノでさらに現代ファンタジーっぽい設定なんだけど、ファンタジーさを感じさせない文章は、このブギーポップシリーズで一貫し…

5月の読書

阿部和重「ニッポニアニッポン」 舞城王太郎「阿修羅ガール」 F・カフカ「変身」 おかゆまさき「撲殺天使ドクロちゃん」1巻 森博嗣「月は幽咽のデバイス」(再読) 森博嗣「Φは壊れたね」(再読) 森博嗣「θは遊んでくれたよ」 化野燐「蠱猫−人工憑依蠱猫…

化野燐「白澤−人工憑依蠱猫02」

ひとまず読了〜。ちょっとこの人の文章を読むコツみたいなものが分かってきたかも。過度の装飾的表現は斜め読み可(笑) ふと思ったが、このシリーズは完全な続き物なんだよねと、2巻を読んで理解した。いや、シリーズ名はついているけど、タイトルが違う作品…

化野燐「蠱猫−人工憑依蠱猫01」

読み終わった。う〜ん、イマイチかも…。ストーリーなんかは好きなんだが、文章がちょっとダルイ。キャラクターの作り方もちょっと色を付けすぎて、物語の色の統一を阻害している感じ。典型的なキャラの描き方ではあるのだけど、文章で使われている難しい漢字…