森博嗣「6人の超音波科学者」

この作品も四季シリーズを読み始めてから、マズイ!と思って読みすすめたもので、1年前に読んでいるはずなのに、トリックなど殆どの内容を忘れていた…(笑)感想は、もうすでに記載しているので、装丁をまじまじと見てのお話。森作品で、このVシリーズと「スカイ・クロラ」シリーズ(?)のハードカバーを手がけている鈴木成一デザイン室。このデザインは、僕のプリミティブなところをどうやら刺激するらしい。小学生から本の虫だったので、色々と読んではいたけれど、本のデザインというところに感心を持った一冊がこの鈴木成一が初期にデザインをした鴻上尚史の脚本。多分、一番最初に読んだのは「ハッシャ・バイ」だったと思う。脚本というまあ、台本に近い内容のくせに、読み始めると止まらない面白さと、ブックカバーのデザインの秀逸さは、その頃かなり影響を受けたね。まずそこでまじまじと見たのは、フォント。今でこそパソ全盛の時代で、いろんなデザインフォントがゴロゴロしているが、まだ庶民にはワープロが普及していた頃に、そんな機械では出せないようなデザインのタイトル文字が、非常にかっこよかった。それは、この森博嗣の文庫にも連綿と受け継がれている。ちょっとふにゃとした味のある文字に、その本の中身を面白くするスパイスみたいな効果があったやね。 もうすでに、新品としては手に入らないものばかりなので、古本屋さんで頑張って探さなきゃなぁ…。

4062749238六人の超音波科学者
森 博嗣

講談社 2004-11
売り上げランキング : 3,052

Amazonで詳しく見る
by G-Tools