小川洋子「博士の愛した数式」
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映画化されたので読んでみることに。
久しぶりの文学作品だったが、思いのほかのめり込めたので良い作品だった。
映画の1シーンを勝手に思い浮かべながら読み進めたのは、描写表現に力があるからだろうね。現実にあったならば大変であろう事を、感じさせずに包むように表現している文章が良かった。
あとは、特徴である数学のお話。
とある先輩が何かの拍子に「数学は宗教である」という発言をしていたのを思い出した。数式が経典で答えが悟りみたいな話だったと思うけれど、真理に向かう姿勢としては変わらず、方法が違うだけなんだろうなぁと。
数学になってからからっきしダメだったので、学生時代に戻ってこの作品に出てくる「博士」のような人に習ったならば、もうちょっと数学が好きになれたのかもしれないと。