霧舎巧「ドッペルゲンガー宮−“あかずの扉”研究会流氷館へ」

ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ
霧舎 巧

講談社 2003-06
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久しぶりに本格推理小説を読んだ。
前々から気になっていた霧舎巧の本を初読書。
久しぶりの活字に前半は調子が出なかったが、後半はすんなりと入ってきた。
小説から離れていたからなのだとは思うのだが、最初の読みにくさというか、「流れ」が出来るまでの辛さが特に初めて読む作家の作品にはある。抵抗感というのか、飲み下せずに残っている感覚があることが多い。
単純に先入観や期待感があるからなのだと思うのだけれど、時々そういうものが無い作品と出会うことがあるので、やはり好みの問題なのかと。

で、この作品については、サブタイトルの「流氷館」を見たときに「館モノ」=綾辻行人という方程式が先入観として浮かび上がった。読むのを後回しにしてきたのはこれがあるからなのかも知れない。といっても、すでに綾辻行人の「館シリーズ」は忘却の彼方なのだが^^;
内容的には上手いし面白いつくりの本格ミステリなのだが、枠に嵌りすぎている感じが拭えなかった。なんだか同人誌を読んでいるような感覚?を覚えた。デビュー作であることを考えればそんなものかなとも思うので、次作や他のシリーズも読んでみようか。