日曜の3本目「誰も知らない」

 今回の本命といえる作品、言わずもがな、最年少パルムドール受賞の柳楽優弥(やぎらゆうや)君ですわ。内容的には、あまり期待していなかったのだが…。はい、間違えておりました。認識を改めましたわ。非常に良かったですな。何が?と、問われるとはっきりここと言えないが、無理に一言で言ってしまえば、「生活感」の描写かな?「日本映画はつまらない」と評価される部分は、大体この辺の描写が下手だから。現実感が有り過ぎても、無さ過ぎても駄目な部分。要するに、日常生活のどこをピックアップするのか?が、大きく影響する。その点では、この映画は最高。萌々子ちゃんと飛影くん(幽遊ファンか?親は?)の演技じゃないだろその表情は!ってところが、グッとくる。しかし、この子役達、みんな90年代生まれかよ…(笑)。
YOUの母親の演技も良かった。前半だけしか出てこない役だが、後半の残された子供達が母親を待つ描写で、違和感なく「ああ、あの母親を待っているんだな」って、観ているこちらが感じることが出来る、居ないことを強調できる存在感みたいなものがあって良かった。あとは、確かに子供置き去りにするわなという感覚をちゃんと演じている。母親な面と一人の女性、しかも自分の幸せへの理想を最後には選択する女性という結構難しい役どころだったと思うが、いい演技だったね。
 是枝監督の作品はこれが初めて。優しい演出をする人だなというのが印象。映像的にも、激しさや特殊な手法などに頼ることなく演技を中心に据え、伝えたい事をゆっくりゆっくり積み上げるように伝えていくような映画だった。ドキュメンタリー的なシナリオだったので、映像もそのように作っていたんだろうね。
 ラストはここで終わりだろう。ってか、頼むここで終わってくれ!というところで上手く終わっていた。ここで終わってくれってのは、観ているこちらの希望。何も事態は解決しなくて良いじゃないか、このまま続いていく日常で良いじゃない?と思っていたところで、しっかりと終わってくれたので、「解っているな、この監督」と唸った。
 懐かしく、悲しいけど、ありふれた、いつもそこにあるのに目を向けない草木を時々ふっと見つけてしみじみと眺めてる、そんな感じの映画だったかな。

さて、次に観たい映画も目白押し…。ひとまず、忘れないうちに列挙。

  1. いま、会いにゆきます
  2. 「2046」
  3. 「シークレット・ウィンドウ」
  4. 隠し剣 鬼の爪
  5. コラテラル
  6. ハウルの動く城
  7. バレエ・カンパニー

………こんなところかな?「2046」は、予告で気になった作品で、マギー・チャンチャン・ツィイーフェイ・ウォンと香港女優陣勢揃いな映画。ここに何故、木村拓也が出ているのかが、むしろ不思議(笑)。
「シークレット・ウィンドウ」は、ジョニー・デップ好きとしては欠かせない。日曜は多分これを見るでしょう〜。ってか、時間あるかな…。

さてさて、明日は何をする人ぞ?