森博嗣「すべてがFになる」

4062639246すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER
森 博嗣

講談社 1998-12
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注文品がなかなか届かなかったのと、これといって読みたい本が見つけられなかったので、繋ぎとして再読。
気軽な気持ちで読み始めたが、8年経ち、なおかつ2度目なのに凄まじくおもしろい。
これまで同じ作品は2度読むことはしなかったが、ちょっと認識を改めないとだね…。

ネタバレ

最初にこの本を読んだ時には、今までに無い状況や電子的トリックの斬新さが目立ち、登場人物たちの描写などにはあまり注目せずに読んだので、細かな犀川先生の描写に注目して読んでみた。
まあ、まさか真賀田四季が全てのシリーズにおいてこれほどの影響力を与える人物だとは、そのときには思わなかったからねぇ。
彼のN大デスクの描写で、戦闘機の写真が飾ってあった所は、多分に「魔剣天翔」の時の写真だろうとか、一度シリーズモノ全作を読んでから帰ってみると、小さな符号が色々なところで合致することに鳥肌ものだった。
さすがに小説内の時間の経過があるので、犀川と萌絵の関係は変わっているけれど、時間の流れのなかでの変化であって、人格が変わっているような事がなく、最初から計算されて8年間貫かれていることに、驚嘆する。