森博嗣「θは遊んでくれたよ」

漸くしっくりと、シリーズ間のつながりが認識できた。前作までは、このシリーズの主要人間相関図を優先した作品ということなんだろうねぇ。登場人物中唯一ミステリらしい赤柳が大事なリンクのキーを握っているとは思い至らなかった。ってか、どこかに出てきたっけ?その辺から既に記憶外なので、やはり読み返しは必要だね。前回同様の結末は不完全燃焼を覚えるけれど、一般人が携わるとそんなもんかな?というリアリティがあるやね。ポスト犀川を担う海月くん。犀川センセよりもさらに寡黙なキャラのウケはどうなんだろうねぇ。

ネタバレ

 探偵 赤柳が待ち合わせた女性とそこから連絡した人物。ちょっと意外な組み合わせで驚いた。まさかまだ保呂草が出てくるとは思いも寄らないやね。で、女性は名乗っていないけどほぼ間違いなく 各務亜樹良 だろう。で、その2人が出てくると登場する 真賀田四季 …。 四季 シリーズで描かれた佐織宗孝の 宗教団体 がまさかこのシリーズで出てくるとはね…。どこまで繋繋がるのか、次巻の「τになるまで待って」が、待ち遠しくなった。


正直いって、新シリーズは、VやS&Mほどの期待が出来なかった。シリーズ1作目「Φは壊れたね」で、過去のシリーズとの繋がりが希薄であったために、こちらとしては別物という認識をしていたんだけど、あっさりと今作で覆されてしまった…。さすがに20冊を超える小説の内容は、どんどん希薄な記憶になっている。新シリーズの面白さを100%堪能する為には、記憶力の悪い僕としては復習が必須だね。さすが大学の先生…。読み手も生徒ってところかな?(笑)

しかし、国枝先生の研究室は豪華な感じがする。山吹がコーヒーミルを回している描写があるので、それだけで優雅さを感じるんだけど。大学の研究室ってみんなこんな雰囲気なのかな?コネを作ってその辺は一度見てみたいやね。

4061824317Θ(シータ)は遊んでくれたよ
森 博嗣

講談社 2005-05-10
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次はどうしようかな…。とりあえず到着品から読んで行こうかな?